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更新日:2002/12/29 (日)


ここでは、最近の昆虫に関係のあるニュース(Insects News)を紹介しています。


読売新聞 (H10.05.17)

オオクワガタで町おこし

 ●ペア1万5000円
 育てたカブトムシを売ったり、「こどものくにムシムシランド」を建設したりと、カブトムシを使ったユニークな「町おこし」で知られる福島県常葉町の第三セクター「常葉町振興公社」が、今年から本格的にオオクワガタの販売にも乗り出した。
 オオクワガタは「昆虫の王様」といわれ、成虫は体長七十ミリと越えるものもある。生命力は強く、冬眠させながら大切に育てると、幼虫から六年間も楽しめるという。
 同公社は、業者から購入したオオクワガタの成虫をペアリングさせ、卵を産ませては数を増やすという方法で九四年から飼育を開始した。当初は大きく育てようと栄養分に富んだえさを与え過ぎ、幼虫が全滅したこともあったが、ようやく今年から、常葉町産の成虫や幼虫の販売が可能になった。
 公社の職員が“手塩にかけて”育てたこれらのオオクワガタのうち、今年は六十ミリの雄と四十ミリの雌のペアを一万五千円で三十組、一匹四千円の幼虫を百五十匹出荷する予定。
 オオクワガタの飼育は比較的簡単で、えさは市販の昆虫ゼリーで十分。「ペアで飼うと、翌年かなりの確率で卵を産むが、六十五ミリ以上の成虫に育てるには、それなりの努力が必要」と、同公社の渡辺篤太郎営業課長は話す。

(解説)[くわ-がた]むし【[×鍬形]虫】
クワガタムシ科の昆虫の総称。雄の頭部は大きく、あごは長く、くわ形状をしている。クヌギ・ヤナギなどの樹液を好む。くわがた。



スポニチ (H11.11.22)

構内で300匹飼育、来夏販売へ

 利用客の減少に悩む長野電鉄が「お客さんの掘り起こしにつながれば」と地下駅構内でオオクワガタの飼育に取り組んでいる。沿線でクワガタ販売のイベントを開き、子供たちに電車への親しみを持ってもらおうという作戦だ。
 クワガタが飼育されているのは、長野市の繁華街の玄関口、権堂駅。地下駅のため、気温が年間を通して約20度と一定しており、昆虫飼育には最適の環境。駅構内の倉庫では現在、約300匹の幼虫が眠っている。来年の初夏には市価の4分の1から3分の1の値段で販売する予定だ。このアイデアを発案した松沢一喜さん(41)は「いつかは“オオクワガタの駅”と呼ばれるようになりたい」とやる気満々。



読売新聞 (H12.01.31)

農薬に追い詰められて・・・・・・

 源五郎とも書く。何とも親しみやすい名前だ。水生昆虫で水田や池、沼に住み、30-40年前には日本のどこででも顔を合わせることができたが、近年、あまりお目にかかれなくなった。
 姫路市立水族館の市川憲平さんによると、北海道から九州にかけて全国各地に生息していた。しかし、1960年代半ばごろからDDTなどの残留性の高い農薬が水田などに大量にまかれるのと軌を一にして姿を消していった。「トキやコウノトリがいなくなった時期と重なっている」
 全長は4センチほど。後ろ足はオールのような形をしており、うまく水をとらえ、水中を俊敏に泳ぎ回る。浅い池などで繁殖し、春、卵をセリなどの草の茎の中に産みつける。幼虫は黄白色で全長が8センチ、太さが鉛筆ぐらいで、ヤゴやオタマジャクシを食べる。幼虫は土手を登り、深さ約10センチの土中で小部屋を作り、さなぎになる。夏には成虫となって、水田や池、沼に戻り、2-3年は生きる。同じ水生昆虫のタガメ(1年)などと比べ長生きだ。
 でも、生息環境の悪化で天寿を全うするのは難しくなっている。水田の減少に加え、除草剤の多用で草がなくなり、水田の整備で畦も素掘りの溝も失われた。「人間の方が一歩下がり、生息環境の整備などを考えてあげないと、まだまだ減っていく」と市川さんは話す。

(解説)げんごろう【源五郎】
セゲンゴロウ科の昆虫。だえん形で、体色は黒褐色。池や沼にすみ、肉食で養魚を害する。げんごろうむし。



読売新聞 (H12.04.25)

さいたま緑のトラスト
新保全地2か所選定
山崎山(宮代)と加治丘陵(入間)


 「さいたま緑のトラスト」の新たな保全地として、二十四日、宮代町の「山崎山の雑木林」と、入間市の「加治丘陵・唐沢流域樹林地」が選ばれた。推進組織である「さいたま緑のトラスト協会」のトラスト検討会議が選定し、県が決定した。「さいたま緑のトラスト」は、個人や法人から寄付を募って基金を作り、その資金を元に土地などを買い取り、県内の自然や環境を守っていこうというもので、今回で保全地は六か所となった。

 宮代町山崎の「山崎山の雑木林」は、東武伊勢崎線東武動物公園駅から南西約一キロの大宮台地と低地が接する位置にある。隣接する水田地帯には、泥炭池を掘った土を周囲に盛り上げて排水を容易にさせる「ほっつけ」と呼ばれる江戸中期の開墾当時の様子が残っており、県東部地域の原風景を感じさせる。樹木はアカシデやアカメガシワを中心にクリやコナラなどが混在しており、ヘイケボタルやカワセミの生息も確認されている。
 一方、入間市寺竹の「加治丘陵・唐沢流域樹林地」は、JR八高線金子駅から北に約二キロの丘陵地にある唐沢沿いの森。オオタカなどの貴重な動物が生育し、豊かな自然環境が保たれ、深山幽谷を思わせる景観がある。植生はクリ、コナラを主とする落葉樹林とモミやスギ、ヒノキといった針葉樹林がモザイク状に分布している。ゲンジボタルの生息地でもある。

 緑のトラスト運動は、九〇年一月に浦和市の「見沼田圃周辺斜面林」買取を決定したのを手始めに、これまで、所沢市の「狭山丘陵・雑魚入樹林地」、嵐山町の「武蔵嵐山渓谷周辺樹林地」、飯能市の「飯能河原周辺河岸緑地」を取得してきた。
 これまでに基金から取得してきた経費約二十四億五千万円を支出し、残額は約二十三億八千万円となっている。
問い合わせは、さいたま緑のトラスト協会(県庁内 048-824-3661)


読売新聞 (H12.05.12)

植物防疫法の規制緩和に異議あり!
大型昆虫続々輸入
 環境庁「在来種脅かす」

 昆虫ファンらの働きかけで、植物に有害とされてきた昆虫の輸入が一部解禁され、カブトムシとクワガタムシの外国産種が次々と専門店や百貨店などに並び、人気を呼んでいる。植物防疫法の禁止条項を緩めた農水省の<規制緩和措置>だが、「植物に害はない」とした同省の判断に、環境庁は「繁殖して在来種を脅かす恐れはないか」と懸念を表明。”対抗手段”として、「移入種対策のガイドライン」作成に乗り出す事態になっている。
 農水省植物防疫課は、植物防疫法に基づいて、肉食のカマキリやトンボなどの「明らかに植物に害を与えない」と考えられるもの以外の昆虫を「有害動物」に指定し、国内への持込を原則的に禁止してきた。
 しかし、各地の植物防疫所にマニアや販売業者から解禁を求める要望が相次いだため、食性分析などからクワガタムシ三十四種類、カブトムシ十四種類は「無害」と判断。昨年十一月、輸出国の公的機関が出す輸出証明書があれば輸入可能とした。
 一方、生物学や生態学の研究者の間には解禁を疑問視する声が多い。国立環境研究所野生生物保全研究チームの五箇公一主任研究員は、農作物の受粉媒体として輸入が認められたセイヨウオオマルハナバチが、在来種のマルハナバチを駆逐した例を挙げ、「生態系へのリスクを調査しないまま輸入が許可されるのは問題」と指摘する。こうした論議の中で、農水省植物防疫課は「植物に無害とわかれば、輸入を認めないわけにはいかない」とし、今後も条件を満たせば解禁する考え。



読売新聞 (H12.05.15)

生物行動 先端機器で探れ
ナゾに包まれた生態 次々と解明
希少種の保護に貢献


 超小型の電波発信機も活躍する。鋭いつめと針状の口を持つことから「田んぼのギャング」と呼ばれるタガメに、愛媛大学の日鷹一雅助教授と姫路市水族館の市川憲平主任専門員は、わずか0.7グラムの発信機を取り付けた。体長5-6センチ、体重5グラム前後の小さな体に合わせて調達したもので、兵庫県西部の田園地帯で行動を調べている。
 まず分かったのが、越冬する場所。水辺近くの枯れ草や岩場と思われてきたが、実は多くが、山の尾根を越え、数百メートル離れた雑木林まで移動していた。越冬準備に早く入る個体ほど遠くの雑木林へ移動、翌年は同じ場所に戻ってこないという特徴も見つかった。別の観察で、夏の繁殖期に交尾の相手やエサを求めて一晩で2キロ近く移動することも確認。小さな虫が持つ「意外な行動力」が研究者を驚かせた。

※昆虫の記事のみ抜粋



読売新聞 (H13.02.21)

ゾウムシ
害虫根絶へ不妊作戦
沖縄県などオスに放射線を照射


 沖縄県などの南西諸島ではサツマイモなどを食い荒らす害虫、ゾウムシのオスの生殖能力を放射線で壊し、ゾウムシを根絶しようという作戦が四月から始まる。こうしたオスを放つと、交尾しても子供ができず、数十年後には絶滅してしまうという。
 現状では栽培面積の三割が被害を受けている。被害拡大防止のため、南西諸島のサツマイモは植物防疫法により本土へは持ち込めず、農薬で害虫を減らしても規制解除にはならず、根絶が悲願となっている。
 根絶作戦は、鹿児島県、沖縄県両県が農水省と協力して実施。ゾウムシの蛹を大量に増やし、ガンマ線という放射線を照射、オスの精子に異常を起こさせて野外に放つ。ゾウムシは年五回ほど交尾するが、このオスとメスが交尾しても卵を孵らず、ゾウムシは次第に減って行くことになる。まず、鹿児島の喜界島と沖縄の久米島で実施する予定。

※記事を一部抜粋



読売新聞 (H13.12.10)

ダンゴムシも考える?


 北海道函館市の公立はこだて未来大学複雑系科学科助手の森山助手が、爪の先ほどの小さな生物にも考える力があるらしいことを伺わせる実験結果をまとめた。
 実験は「ダンゴムシ」と呼ばれるオカダンゴムシのオス二匹を糸で互いに後ろ向きの状態でつなぎ、明るい場所に三時間放置する実験を二十ペアで繰り返した。「行動創発実験」と呼ばれる実験。オカダンゴムシは石の下などの暗いところに潜み、光に当たると逃げる性質がある。
 普通、糸でつながれると互いに反対方向へ進もうとするため、二匹とも動けなくなる。ところが、実験の結果、十ペアでは一匹が片方の背中に乗り、二匹が一緒になって逃げようとした。
 森山さんは、「相手の背中に乗ったのは、新しい移動方法を考え出したということではないか。小さな生物も侮れない」と話している。

※記事を要約、抜粋



読売新聞 (H13.12.14)

ミノムシ守れ


 身近な冬の風物詩だったミノムシが全国で急速に姿を消している。代表的ミノムシである「オオミノガ」が外来種のヤドリバエに寄生され絶滅しかかっているためで、高知大の調査では、都市部で九割以上の寄生率となっていることが確認された。本来は樹木の新芽を食い荒らす害虫だが、すでに宮崎県、福岡県、高知県で絶滅危惧種に指定され保護活動の動きが始まっている。
 オオミノガは関東以西に分布。五月下旬から六月にかけて羽化しメスがミノの中に産卵する。孵化した幼虫が「ミノムシ」。
 このガが急速に減り始めたのは一九九五年ごろから。九州大大学院の教授がガの幼虫に寄生し食べてしまう「オオミノガヤドリバエ」を発見した。十数年前に駆除のために中国で導入された同国南部から南アジアに生息するハエで、日本にどうやって入ってきたのかは不明。
 生態調査を行った高知大の教授は、「ミノムシが完全に絶滅することはないだろうが、以前のようにどこででも見られるということはなくなった」と話す。
 首都圏でもオオミノガはほとんど見られなくなったが、東京都や神奈川県では「データが入手できない」などの理由で、ガについてはレッドデータブックの対象外にしている。

※記事を要約、抜粋



読売新聞 (H14.8.19)

セミ


 西日本を中心に生息する日本最大のクマゼミが、温暖化の影響からか、関東地方への分布を広げている。愛知県環境部が今年7月、県内の幼稚園児にセミの抜け殻を拾ってもらい、数を集計したところ、アブラゼミ1024対クマゼミ892だった。昨年の比率は2対1、10年前は10対2で、「近いうちに逆転するかも」と同部。九州、近畿でなじみの「シャーシャー」という鳴き声が、全国を席巻する日は近いかもしれない。

※記事を要約、抜粋


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