ヒラタクワガタの飼育(幼虫編)

更新日:2000/03/28 (火)



このページでは、本土ヒラタクワガタを中心に話を進めていきます。
オオクワガタなどと飼育上の違いは、ほとんどありませんので、最も異なっている点を紹介していきます。



幼虫を飼育する


産卵後、1ヶ月以上経過した産卵木を丁寧に割って行き、幼虫を取り出して個別飼育に移します。個別飼育に移すのは病気が発生した時や、共食いを防ぐためなのですが、たくさんの幼虫を飼育している方は、大きな容器で幼虫をまとめて飼育することも可能です。共食いは容器が狭い、もしくは、エサが不足しない限りしません。オオクワガタの幼虫飼育の場所に理由が書いてありますので、そちらをご覧ください。


ヒラタクワガタの幼虫飼育には、現在オオクワガタで主流となっている菌糸瓶は必要ありません。
なぜなら、私が菌糸瓶飼育の個体と発酵マット飼育の個体の成長結果を比べたところ、成育するにあたって、違いが無いどころか、発酵マットの個体の方が大きくなっていたからです。飼育環境は同一にして、同腹の幼虫で調べた結果です。


このことは、自然界での幼虫の成育環境の違いが関わっていると思われます。オオクワガタは、あまり分解の進んでいない立ち枯れや、立ち枯れの上部の方に好んで住んでいます。
それとは対照的に、ヒラタクワガタは分解の進んでいる立ち枯れの根元付近や、倒木の地中の部分を好み、さらに湿度が多いところに住んでいる傾向があります。


菌糸瓶は分解は進んでいませんし、湿度も比較的乾燥しています。その為、自然界の生育環境と異なるのでヒラタクワガタに使用しても良い結果が生まれ難いということになるのだと思います。




発酵マットは、オオクワガタの場合よりも、必ず湿度を高めに保ってください。乾燥していても育ちますが、成長が悪くなります。1リットル前後の瓶などに1匹の幼虫を入れてある場合、発酵マットは2度ほど交換した方が大きな成虫になりやすいです。無交換でも成虫になりますので、ただ成虫にしたいと思えば、最初に幼虫をセットしたら、湿度にさえ気を付けていればそのままでも、羽化してきます。


どの幼虫でも同じですが、蛹室を作り終えてから幼虫の動きがなくなってきたら過度の振動、光、湿度は厳禁です。うまく蛹化できずに死亡してしまうことがあります。


羽化したら、成虫が自ら容器の上に出てくるのを待つか、2週間以上してから容器の中から取り出します。


  


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