スマトラヒラタクワガタの飼育(幼虫編)



更新日:2001/02/19 (月)



初めて飼育するクワガタが、スマトラヒラタである、という人はいないと思うので、当たり前のことは省略しています。

私の自宅は、温室がないため、繁殖などは無理かな、と思っていたのですが、3Fの室内では温室なしでも大丈夫でした。(一軒家では、温度変化が大きいので、温室が必要かもしれません)
飼育は意外と簡単でコツをつかめば、大型成虫の羽化も夢ではありません。オオクワガタを大きく育てるよりも楽に大きくなります。
ただ、私の別の呼び名は、金食い虫(カネクイムシ)です。
菌糸瓶で育てると楽なんですが、すごい早さで食べ尽くします。したがって、菌床代金が結構高くなります。発酵マットで育ててもそれなりに育ちますが、菌糸瓶飼育に比べれば、手間暇がかかる上、サイズ的にも巨大成虫を羽化させることは難しくなります。



用意する物(基本的にヒラタクワガタと同様)
■菌床 又は 発酵マット
■1リットル以上の瓶(大きい方がお勧め)
■コーヒーフィルター
■スプーン



瓶へのセット
用意した物をセットして幼虫飼育の準備をします。
瓶へのセットがお勧めですが、瓶以外でもOKです。ここでは、瓶を使う飼育方法を紹介します。
まず、瓶ですが、スマトラヒラタはかなり大きくなる種の昆虫です。そのため、小型の瓶では瓶が小さすぎて成長が阻害されます。オオクワガタ用の瓶でも代用できますが、できればそれ以上のサイズの瓶がお勧めです。
大きければ大きいほど良いと思われますが、人間にとっては、大きいことは問題です。
場所をとる上、菌床が劣化したら交換するので、費用が高くなります。このことも踏まえてサイズを決めましょう。
オオクワガタ用であっても、エサ交換が頻繁になるだけで、そこそこ育ちます。
ちなみに、私はオオクワガタ用の瓶を代用しています。

菌糸瓶であれば、ふたを開け、上部に幼虫の頭が入る程度の穴をスプーンで空けます。発酵マット飼育でも同じです。
次にその穴に幼虫の頭を入れます。頭がその穴に入れば、ほぼ、その穴から潜っていきます。幼虫を適当に放り込むだけでも、勝手に潜っていきます。
幼虫を入れたら、コーヒーフィルターをふたと瓶との間に挟み、ふたを締めます。
フィルターの効果は、害虫の侵入防止、乾燥防止などです。
菌糸瓶飼育の幼虫です。
冬場ですが、一ヶ月ほどでここまで食が進んでいます。

暖かくなると、さらに食がすすみ、どんどん菌床を食べます。



幼虫飼育
幼虫飼育は特に何もしません。
オオクワガタなどと同じく、ただ育つのを待つだけです。
特に菌床飼育では、白い部分がなくなってきたら、新しい瓶へ交換するだけですので、いたって簡単です。
菌床飼育以外では、発酵マット飼育があります。
なぜ発酵させる必要があるのかは、以前掲載した通りです。
発酵マット飼育の利点は、費用が安く押さえられるという事です。また、大きな成虫が誕生した場合の喜びが、菌床飼育よりも大きいかもしれません。
欠点は、手間暇が何かとかかり、楽な飼育ではないということです。当然、犬、猫、馬、牛などよりは断然楽に飼育できます。

例えば、菌糸瓶飼育では白くなった菌糸瓶へ幼虫を移し、後は白い部分がなくなってくるのを待つだけですが、発酵マット飼育では、発酵マットを作り、水分調整をし、エサ交換の時期を見定める必要があります。発酵マットは購入もできますが、費用を安くするためには当然自作します。
いろいろな説がありますが、発酵マットは、『3ヶ月程度で交換する必要がある』、とか『6ヶ月で交換する必要がある』、とか『いやいや、交換は必要ない』という意見もあります。
発酵マットは、一見なんら変化してこないように思えますが、時間の経過とともに水分を含んでいるものは、微生物の繁殖等により着々と劣化しているのです。だから、交換が必要なのです。
一年近く経過すると、土というか、粉のようになります。
交換は、温度、湿度などの違いにより、一概に何ヶ月でしましょう!とは言えませんが、3ヶ月前後で交換するのが適当かと思います。毎月交換するのは、幼虫への影響が大きく、大型成虫の羽化は望めません。
劣化以外にも、エサが食されたら、交換する必要があります。
食されたことが分かり難い発酵マット飼育ですが、よーく、見てください。幼虫が食べた場所は微妙に色が変色していたりして分かるはずです。
分からない場合は、時間の経過にしたがって、時間で交換しましょう。


このように、発酵マット飼育は面倒もあり、経験も必要なので、簡単に飼育したいのであれば、菌床飼育を薦めます。
2000年9月7日に誕生したスマトラヒラタの幼虫です。
サイズからして、おそらくオスでしょう。

エサ交換をしながら、後は蛹になるのを待つだけです。
オオクワガタ用の瓶を利用して飼育している場合で、幼虫が大型な場合、蛹化する前に、瓶を横置きにする必要があります。縦置きのままでは、蛹室が広く作れず、羽化不全が起こります。
横置きする場合でも、瓶が転がらないようにしておかなければかえって羽化不全を引き起こし兼ねないので、注意してください。
蛹になる直前、なってからはすべての幼虫同様、振動をさけ、静かにしておきましょう。

あとは、無事に完全体となった、成虫の誕生を待つだけです。


  

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